存在しない情報を求めること
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
情報の適切な流通は円滑な組織活動にとって重要です。
そのため、情報が不足している場合、情報を求める声を伝えることは大事です。
一方で、「存在しない情報を求める」ケースがあります。
今回は「存在しない情報を求める」ケースについて説明します。
前提
今回のお題はあくまで「存在しない情報」のため、「伝えることが好ましい情報を伝えていなかった場合」の話は対象外とします。
存在しない情報とは?
「存在しない情報」とは、情報はすべて開示されているにも関わらず、不足があると思い込んでいる状態です。
存在しない情報が発生するケース
存在しない情報は以下の2種類の状況で発生します。
- 全体像の未把握 - 立場上、最初に情報を知る立場の人と伝えられる立場の人がいる。伝えられる立場からみて、伝える側がどのくらい情報を持っているのかは判別できない。結果として情報をすべてもらっているにも関わらず、まだ不足があると勘ぐってしまう
- 抽象度の高さ - 伝える側は、抽象度が高い状態で意思決定している。その意思決定をすべて共有しているが、伝えられる側は抽象度の高い情報のみを聞いて、より具体的な情報があるはずと勘ぐってしまう
「存在しない情報」を求められる場合の影響
存在しない情報を求められている場合、伝えられる側目線だと「もっと情報があるなずなのに伝えてくれない」という不満につながります。結果としてその情報に関わる業務の納得感の不足につながります。また、この状態は信頼関係にも悪影響があります。
「存在しない情報」を求められる場合の対策
まず、伝える側は伝えられる側が「存在しない情報」に対して不満を持っていることに気づく必要があります。
そのために、気兼ねなく質問ができる関係性や場づくりが大切になります。
その前提が整っていれば「この件について、より詳しく教えて欲しいです」などの申し出があれば、「存在しない情報」を求められているということに気づくことができます。
気づくことができればあとは対処です。
「全体像の未把握」のケースは、すべての情報を伝えてあるということを改めて伝えます。
「抽象度の高さ」のケースは、同様にすべての情報を伝えてあることは伝えつつ、相手が内容を理解することや、行動につなげる材料としてより具体的な抽象度の情報を欲しがっているということなので、掘り下げて説明できるとよいでしょう。どのくらいの抽象度の情報で内容を理解し、行動につなげることができるかは人によって異なります。そのため相手に合わせて伝える粒度は変更する必要があるでしょう。
まとめ
「存在しない情報を求める」ケースについて説明しました。
大きく分けて
- 全体像の未把握
- 抽象度の高さ
という2ケースがあることを踏まえつつ、伝える側は質問しやすい雰囲気を作り、この問題の発生を把握可能にし、その上で対処しましょう。
逆に伝えられる側は、自分が存在すると思っていた情報がそもそも存在しない可能性がある、ということを踏まえるとよいでしょう。
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